はじめに
「双子の出産って、どんな流れ?」「帝王切開ってやっぱり怖い?痛い?」「赤ちゃん元気に生まれてくるかな」
妊娠後期になると、いよいよ出産が現実味を帯びてきていろんなことが不安になりますよね。わたしも初産で双子を妊娠した時はまさに同じ気持ちでした。
わたしは双子妊娠を理由に産休前から休職しており、時間があればあるだけスマホを触っては出産レポを読み漁ったものです。しかし帝王切開の情報は豊富にありますが、双子の帝王切開となると、情報は狭まります。ネット上の双子の情報は非常に貴重です。
そこで今回は、初産で双子を帝王切開により出産したわたしの体験談をベースに、入院から出産当日、退院までのスケジュールとともに感情の変化を記録として残します。まずは入院当日と出産当日を振り返ります。
情報をつかめずに不安を感じている妊婦さんが、少しでも出産をイメージしやすくなれば幸いです。
入院当日
双子出産と管理入院
わたしの行っていた産院では双子の場合は37週を迎える頃に予定帝王切開による出産を行う方針を取っており、37週2日となる日を出産予定日としてその前日に入院しました。
出産方法は産院によって方針が異なることはあまり知りませんでした。普通分娩は怖いなとずっと思っていたので、ほっとしたような、この先一生鼻からスイカを経験できなくなる(一度帝王切開を経験すると、その後は帝王切開しか選択できなくなるらしい)ことが残念なような気持ちでした。
また、双子妊婦に管理入院はつきものと考えておりましたが、それも切迫早産などのトラブルがなければ原則手術前日の入院となるとのこと。2ヶ月くらいの入院は覚悟していたので呆気に取られました。むしろ大丈夫?という感じでした。
結果的には、糖尿病疑いとか、高血圧症疑いとかはありましたが、大きなトラブルなく管理入院もなく入院当日を迎えることができました(本当にすごい!自画自賛)
いよいよ入院、出産前夜の心の中
入院当日、入院準備品を詰めた旅行カバンを持って夫に付き添ってもらって病棟へ。簡単な説明の後、早々に夫とお別れしました。夫の滞在時間にして約5分。面会制限は厳しく、家族と言えども長居はできませんでした。
病室はひとまず大部屋を選びました。個室は一日約1万円かかること、双子はNICUから出ない限りは母子同室が難しいことから、個室にするのは母子同室ができるタイミングで遅くないと考えたためです。
幸い、案内された大部屋にはわたし1人しかおらず、貸切状態で内心ガッツポーズしました(わっしょい!)
病棟は全体的に淡いピンク色で女性に優しい雰囲気で、以前入院したことのある婦人科病棟とは異なる印象でした。病院食も「良い母乳を出すためにおやつが1日2回出る」と聞いてびっくりしました。(ただし、術前ご飯は糖尿病予備軍だったため質素ご飯でした涙)
到着後は、NST(胎児モニター)や身体測定、採血、血圧測定などがありました。体重は妊娠前+23kgとなっていて、大笑いしました。
その後はシャワー、夜ご飯、動画鑑賞など、比較的リラックスした夜を過ごしました。長いようで短かった妊娠生活を振り返り、こんなことを考えていました。
ついにこの日がやってきた。
長いようで、短かった。
おなかを通したコミュニケーションも楽しくて、いなくなってしまうのが寂しいような気持ちもある。
けど一番は直接会えるのが楽しみ。
あんなに小さくて、おぼつかなかったいのちが、元気にここまで大きくなってくれて本当によかった。
夫と2人だった生活から新しい家族が増えた4人の生活はどんなふうか全く想像がつかない
名残惜しくもあり、楽しみでもある。
赤ちゃんはきっとあっという間に大きくなって私たちから離れていってしまう。
一日一日、一分一秒、大事にして生きていこうと誓った。
帝王切開当日|待望の双子ちゃんとのご対面
当日のスケジュール
- 6:00 起床 手術着に着替える
- 6:30〜8:00 NST 点滴
- 8:00〜 麻酔科医・産科医から説明
- 8:40 夫と手術前最後の面会・記念撮影
- 9:00〜 手術室入り
- 9:38 〜39 双子ちゃん誕生
- 15:00 術後病室へ戻り処置
- 16:00 水分解禁
- 18:30 夕食
いざ手術室へ
中央に手術台、その周りを囲むモニターや医療機器。たくさんのスタッフ(今思えば双子だから人数多かったのかな?)に囲まれながら、本人確認を受け、手術台に横たわりました。
すぐに手術が始まるかと思いきや、最初の30分は麻酔準備や医者間での確認作業。待っている間、わたしも、待っている夫も、そわそわしていました。夫はのちに、こんなに時間が経つのが遅く感じるのは初めてだったと言っていました。
最も恐れていた腰椎麻酔、そして手術開始
以前脊椎麻酔を経験した時に、人生で1番痛い思いをしたため、もう2度と脊椎麻酔はしないと誓っていたくらいには脊椎麻酔がトラウマでした。その旨麻酔科の先生に伝えたところ、局所麻酔→腰椎麻酔の順に実施いただけました。おかげで痛みなく終了。 体が温かくなり、ビリビリと麻酔が効いてくる感覚。 保冷剤を体に当てていって効き具合を確認し、胸の上あたりまで感覚がなくなったところで、手術が開始されました。
ほんとにおなかの中にいたんやね、やっと会えたね、元気でほんとによかった
周囲から聞こえるいろんな音に耳を傾けてじっとしていると、唐突に、ようやくその時がやってきました。
待望の赤ちゃんたちとのご対面。 重かったおなかがふっと軽くなり、ひだりちゃん、みぎくん、それぞれの産声を聞いた瞬間、自然と涙が溢れました。
喜んだのも束の間、赤ちゃんのお顔を見られたのはほんの一瞬で、すぐに処置に連れて行かれ、それが終わると部屋を出る時にもう一瞬だけお顔が見られました。帝王切開だから仕方ないにしても感動のご対面はあっけなかったです。
夫との再会
手術終了後、ベッドに横たわったまま夫と再会。
夫は泣きながら「頑張ったな、赤ちゃんに会えたよ」と頭をなでてくれました。そんな反応思っても見なくてもらい泣きしてしまいました。
こうしてわたしは無事に手術を終えることができました。
手術室は撮影不可のため、生まれたての双子の記録は夫にお願いしましたよ!
病室に戻り、麻酔が切れていく感覚を味わう
半身麻酔が効いたまま悪露が出続けるため、病室に戻ってから看護師さん2人がかりでしばらくおしものお世話を受けました。なんだか申し訳ない気持ち・・・
麻酔が効いてる時は全身ぽかぽかしていたけど、急に寒い感じがして、身体がブルブル震えました。電気毛布を入れてもらって身体を温めます。
びりびりした感覚とともに、左足から順に動けるようになっていきました。けれど感覚はまだ弱く、動かしていても動かせているかわからない、生まれて初めての感覚でした。
麻酔が切れると、顔の下半分からお腹にかけてがかゆくなっていきました。妊娠線が痒いのと同じ感覚。
看護師さんが居なくなった間におなかを確認してみました。めっちゃ萎んでてぶよぶよしておもしろい・・・!
小さくなったおなかを見て、本当に生まれたんだと実感しました。
翌日、念願の双子ちゃんとの面会に続く!